※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
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こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
【アップコン起業秘話】第304号(2023/7/21発行)
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「辞めます!」
私は思いのほか落ち着いていました。
“彼”の表情は変わっていません。
3人はずっと丸くなって下を向いているだけです。
私の頭の中では
私と“彼”の目指すゴールが違っているということが
クリアになっていました。
「私は沈下で困っている人を助けたい、
“彼”は沈下で困っている人から稼ぎたい、
どちらも沈下修正をして
コンクリートの床をフラットにすることでありながら
その意味合い、価値観に違いがありました。
この先、ずっと“彼”と一緒に仕事をしていっても
“彼”は変わることはないだろうし、
この会社は“彼”がオーナーであるのだから
自分が“彼”に合わせることができないのなら
いつも心の中に疑問を持ちながら仕事をすることになってしまう。
と思えてきました。
10秒程でしょうか。
沈黙が続きます。
私と“彼”はお互いに相手の目を見ています。
やっと“彼”が
「Nobu」
と声を出しました。
そして“彼”の顔がみるみるしわくちゃになってきました。
「Nobu・・・」
“彼”の目から大きな涙が溢れています。
「Thank you, Nobu.」
と言って私の両手を握りしめました。
私には涙はありません。
突然「辞めろ!」と言われ、
様々なことを一瞬で考え判断しなくてはならないからです。
「辞めます!」と答えたものの、私の頭の中では
「なぜ、私が辞めなくてはいけないのか?」
「辞めた後、どうしたらいいのか?」
という大きな疑問が渦巻き、さらに、
「DIが仕組んだことなのか?」
「KZやAKもDIと同類なのだろうか?」
と疑念が沸いてきています。
“彼”が何やら言っています。
「Sorry, Nobu」
と言いながら、
あれこれ言い訳のようなことをぶつぶつ言っています。
私はそれらは聞かずに、
「私が辞めた後は誰が社長をするんですか?」
と“彼”に聞きました。
「DIだ。DIがNobuの後、社長を引き継ぐ。」
「そうですか。
でもDIこそこの会社を辞めたかったんじゃないんですか?
そうでしょう? DI。」
「いえ、私は一度も辞めたいなんて言ったことはないですよ。」
「えっ!何言ってるんですか。
去年から何度も何度も給料を上げてくれ、
もっと待遇を良くしてくれ、
そうでなければすぐ辞めると言ってたじゃないですか?」
「そんなこと一度も言ったことなんかないですよ。」
「そんな、馬鹿な。
事務所でKZがいる時にだって言ってたじゃないですか。」
「松藤さんの言ってる方がおかしいんじゃないですか?」
「KZ,KZだって、何度もDIが辞めてやる!
とか給料もっと上げてくれ!とか言ってたのを聞いてただろう?」
「いえ、・・・。私は聞いたことはありません。」
?????
KZの小さくぽつりと言った一言が私の胸に大きく突き刺さりまし