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2023.08.09ニッポン上げろ!

第308号(2023/8/4発行)嵐・その7

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
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こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。


【アップコン起業秘話】第307号(2023/8/1発行)嵐・その6の続きです。
【アップコン起業秘話】まとめはこちら

 

 

 

DIの一言で、急に何かが私の胸の内で冷めていった気がしました。

 


それは沈下修正で困っている人を助けたいという
この事業に取り掛かるきっかけとなった時の気持ちでした。
大好きだった建築設計を捨ててまで、
全身全霊をかけて取り組んできたウレタンを使った沈下修正事業。

まさかこんなにあっさりと興味がなくなってしまうなんて、
思ってもみませんでした。

人を騙すような人とは一瞬たりとも付き合いたくない、
今いるこの事務所の同じ空気さえ吸いたくない、
という気持ちが心と頭を瞬間的に支配してしまいました。

もしかしたら”彼”もDIに騙されているのでは?

とさえ思えてきました。

  

  

  

  
「それではここに署名押印してください。」

 DIはなんと予め私が辞任するための書類を作成していたのです。
それも、英文と和文で。

やはり初めから計画されていたことでした。

私の腹の奥底から、
怒りなのか、
何かわからない初めての感情がふつふつと湧き上がってきます。
私はその準備の良さにびっくりしながらも
早くこの書類にサインをすれば彼らの顔を見なくてよい、
彼らから逃げられる、
というような、なぜか追い詰められたような気持ちになっていました。

  
”彼”は私がサインをするのを見届けると、
あの厚い掌でもう一度私の手を握り

  
「Thank you ,Nobu .」

  
と言って握手をしてきました。
そして”彼”と3人は事務所を出ていきました。
私は2日後の火曜日までに部屋の鍵をおいて出ていくようにと言われました。

  

  

  

  

  

  
“彼”は翌日の月曜日にシドニーへ帰ったようです。

  
私は様々な関係者の方々へのごあいさつする時間ももらえず、
私物だけの整理をして川崎の実家へ帰ることになりました。
書類の整理をしていると電話代の請求書が見つかりました。
今と違って電話代の請求書は1~2か月遅れて届きます。

  
「ああ、なるほどね。」

  
それを見ると昨年の11月頃から
電話とファクスのやり取りが頻繁にシドニーオフィスと行われていたのがわかりました。
それらは私が事務所にいない間に行われていたものでした。
もちろんいつも事務所にいるのはDIです。
DIが”彼”と連絡を取り合っていたのでしょう。

でも、もう私は辞任のサインしてしまいました。

過ぎたことは仕方ない、後悔先に立たずって言うじゃん。

  
そうそう、もう一度オーストラリアの国章を思い出そう。
1頭の赤カンガルーと1羽のエミュー。
どちらも後ろに進むことができず、前にしか進めない動物。
前へ前へと進んでいかなくては。

 


じゃあ、私の前は どっち?

 

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