※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
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こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
【アップコン起業秘話】第332号(2023/10/27発行)
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今度はI氏が続けます。
「沈下修正って結構ニッチだよね。
まして普通に下がっていたらジャッキで直せばいいからね。」
「I先生、それは住宅の場合ですよね。
ウレタンの沈下修正の主なターゲットは
工場や倉庫・店舗などの広い土間床なんですよ。
そうすると、従来工法はジャッキアップではなくて
コンクリートを打ち替える工法になっちゃうんです。
その場合、機械やラック、商品などを一度全部外に出して
建物内を空にしてからじゃないと打ち替えできないんですよね。
ということは業務が止まって売り上げは上がらないし、
顧客が逃げて行ってしまうというリスクもあるんですよ。」
「なるほど。」
「そうすると経済的にはものすごい損失ですよね。」
「確かに。」
「それが業務を止めずに工期も早く、
結構すごくありません?」
「そうだねぇ~。
でも売り上げが落ちて潰れてしまうようなら
もうこの工法も日本には存在しないということになっちゃうね。」
「そうですね、それは少し残念かもしれません。」
「松藤君がやったらいいんじゃないの?」
R氏がまたまた背中越しに話しかけてきます。
「そんなぁ、
と、I氏が
「松藤君、僕もね、今の松藤君の話を聞いていると
外資系の不動産会社へ行くよりも
もう一回沈下修正の事業をしてみるのも
面白いんじゃないかなと思ったりしたんだけれど。」
「さっきも言った通り前社からは早く300万円返してもらったら
潰れてしまえばいいくらいに思ってるんですよ。」
「そうじゃなくて、
「えっ?どういうことですか?」
「まあ、選択肢の一つとしてだけど、
ウレタンを使った沈下修正の会社を外資なんかに頼らないで
自分自身で作って成長させるのも面白いんじゃないかなって、
松藤君の話を聞いていたら思ってきたんだ。」
「そうそう、不動産行くよりも面白そうだよ。」
「Rさん、無責任に言わないで下さいよ。」
I氏が続けます。
「なんかねぇ、まだやり残したことがあるような、
前の会社には未練がないことはよくわかるんだけど
ウレタンを使った沈下修正の事業って面白そうじゃない?」
「そんなに簡単に言わないで下さいよ。」
「松藤君って、今、何歳?」
「来月45になります。」
「転職するっていうのも本当に最後の最後かもね。」
「私もそう思っています。」
「だったら、もう1回、
将来の自分をよく考えてみたほうがいいと思うんだけど。」
「将来の自分?」
「そうだねぇ、例えば今からどんな会社に入っても
60くらいまでしか働けないでしょ。でも、
「はぁ。」
「僕たちは自分たちの設計事務所だから
健康であれば本当に死ぬまで働くこともできるんだけれど、
どこかに勤めてサラリーマンになったら、
人生の途中でほっぽり出されちゃうからね。」
「はぁ。」
「外資系の会社に勤めるのもリスクあると思うよ。
そのリスクも考えてもう1回
10年後、20年後、30年後ってどうしているのか、
どうなっていたいのか考えてみたら?」
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私はひとり、宮益坂上の交差点から渋谷方面へ歩いていました。