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2023.12.26ニッポン上げろ!

第348号(2023/12/22発行)FRT工法

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
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こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。

FRT工法
農業用水路トンネル機能回復加圧式ウレタン充填工法
(Functional Restoration Technologies for Agricultural Ditch Tunnels

FRT工法は
平成22年~24年度
官民連携新技術研究開発事業(農林水産省)活用
によって開発された新工法(特許取得)です。


民間企業4社
*アキレス株式会社
*岡三リビック株式会社
*株式会社ジオデザイン
*アップコン株式会社

*国立大学法人島根大学
*石川県公立大学法人石川県立大学
の大学2校

によって共同研究が行われました。


アップコンにとって産官学の共同研究は初めてのことでしたが、
其々の企業・大学が得意の分野を役割分担しながら
3年間で研究・開発を完了することができました。
10年前のことです。
2013年3月で研究は終了したのですが、
研究だけで終わってしまっては国費の無駄遣いとなってしまいます
実用化が前提の研究開発であるため、
研究活動終了後は営業活動のフェーズに入りました。
ところが、この営業活動は大変困難なものでした。

FRT工法は
農業用水路トンネルの覆工コンクリートと地山の間に発生した空洞
ウレタン樹脂を注入することにより
覆工コンクリートに生じたクラックの原因である
引張応力を減少させる効果があります。
現在、農業用水路トンネルの総延長は約2,000キロあります。
水路トンネルの標準耐用年数は50年とされていますが、
その半数以上がすでに耐用年数を超えた状態となっています。
喫緊に水路トンネルの延命化・長寿命化を図らなくてはいけない現状ですが、
世の中、新工法に対する風当たりは常に厳しいものです。
アップコンも営業を開始した当初は


「前例がない。」
「実績は?」


と関係当局やコンサルタント会社へプレゼンに行っても
“けんもほろろ”に突っ返されてきました。
丸3年間実績ゼロ状態が続きました。
ようやく施工が実現したのは2016年、北海道の現場でした。
雪深い現場では私も施工メンバーの一人でしたが、
トンネル内で狂ったように飛んでいるコウモリは苦手でした。
実はアップコンの売り上げの30~40%は公共工事によるものなのですが、
その1番最初の施工現場も北海道の橋梁の踏み掛け版の空隙充填工事でした。
(なぜか北海道にはご縁がありますね。)

さて、実績0から1への1歩は非常に大きな進歩でした。
北海道での初施工が新聞にも取り上げられたこともあり、
話を聞いてくださるコンサルの方々が増えてきました。
そして、私たちもコンサルの方々と話をすることによって
今まで手を付けることが出来なくて放ったらかしなってしまっている現場が
どれほど多いことかと知って驚いたのでした。


従来工法ではトンネルの坑口近くしか施工できず、
坑口から少し離れてしまうと仮設や工期がネックになって
未施工のままという現場が山のようにストックとして残っています
農水路トンネルの施工期間は農閑期に限られていて、
11月から2月までの4か月間と大変短いです。
しかし、アップコンのFRT工法では
坑口から離れていても仮設を必要とせず、
自前のバッテリーで電力を供給しながら短工期で施工できます。


お陰様で今年のFRT工法による施工は今週で終了しました。

また、年明けの1月から静岡県で施工が再開されます。
トンネルの施工は真っ暗闇の中で行います。
周りには誰もいません。
アップコンのスタッフだけです。
1日の進捗も5メートルだけとか、進んでも30メートルと
牛の歩みのようです。
そのような環境の中でもコツコツと施工し続けることによって
日本のインフラの長寿命化に貢献できることは
私たちアップコン技術スタッフの誉れにもなっています。

アップコンはFRT工法で
農水路トンネルの延命化・長寿命化に貢献していきます。

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