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こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
1964年10月1日に
開催される東京オリンピックに合わせて
東海道新幹線が開通しました。
今年は東海道新幹線開業60周年の節目の年となります。
人間でいえば還暦を迎えるわけで、
おめでたいことではあるのですが、
人間と同じように年を取って行けばそれなりに問題も増えてきます
私たち人間が年と共に体力の衰えを感じるようになり、
健康に不安を覚えるようになり、
そしていつか来る最後のときを感じると同様に、
コンクリート構造物であるトンネルも、
完成と同時に老朽化が始まっています。
私たち人間にとっての寿命は、
トンネルの場合は耐用年数と言います。
鉄筋コンクリート造の道路トンネルの場合、
耐用年数は75年となっています。
しかし、これは減価償却資産としての耐用年数であり、
設計耐用年数とは異なります。
それでは設計耐用年数はどれくらいでしょうか?
これはトンネルの用途(一般道路/高速道路)
多くは50年から100年としているようです。
そして建設後50年が老朽化の目安と言われています。
昨今では築50年を超えるようなトンネルでも
維持管理や大規模補修によって長寿命化しよう
というのが国策の流れになっています。
もうとっくにスクラップアンドビルドの時代は過ぎ去っています。
多くの公共インフラは築50年を目安に大規模な補修計画がされて
国土交通省のデータによれば
2033年には42%のトンネルが築50年以上となります。
東海道新幹線のトンネルは築60年以上ということになります。
東名高速道路と新東名高速道路のように
機能を補完できるような関係があるものはまだしも、
そうでない場合がほとんどであると思います。
(まだ新東名高速道路も全面開通はしていませんが)
東海道新幹線もリニア新幹線が早期に開通すれば、
大動脈である東京↔名古屋、さらには東京↔大阪の移動の足も
確保されていたはずですが。
人口減少中の日本において、
トンネルを含む公共インフラを
いかに延命化しながら利用し続けていくかは大きな社会問題です。
2012年12月2日、
中央自動車道上り線笹子トンネルで
天井版のコンクリートが落下するという事故があり、
9名の方がお亡くなりになりました。
事故が起きてからでは遅いのです。
私たちが日頃当たり前のように利用している社会インフラを、
維持管理、大規模補修等を通じて
次世代の人々が安全に利用できるように
延命化・長寿命化することが現在の私たちの責務になっています。