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こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
【アップコン起業秘話】第402号(2024/6/25発行)
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「こんにちは~。」
・・・・・
「こんにちは~。」
・・・・・
階段の下から声をかけてしばらく待っても
なんら返事が返ってきません。
仕方なく階段を上がってみることにしました。
2階に上がると廊下がまっすぐ延びています。
その廊下の左側に上半分がガラスになった引き戸があります。
ガラス越しに中を見てみると、そこは事務所のようでした。
数人の人影が見えます。
トントントン。
引き戸をノックして扉を開けます。
「失礼します。松藤といいますが。」
事務所の中の人たちは私の声が聞こえないかのように
机に向かって各人、集中して仕事をしています。
100平方メートルもない事務所内で
私の声が聞こえないはずはありません。
もう一度声を出します。
「すみません。
Shim様いらっしゃいますか?」
と、一番奥の机に座っている男性が
「ああ、ちょっと待ってて。」
と大きな声で、ぶっきらぼうに返事をしてきました。
「先ほど電話した松藤といいます。」
「悪いねぇ、そこの椅子に座ってちょっと待っててよ。」
「はい。分かりました。」
私は入り口から入ってすぐ左手にあるソファに座って待つことにし
事務所を見渡すと先程の男性と2人の女性事務員だけです。
男性も女性たちも、私のことは全く気にすることもなく
仕事をしています。
電話の音もせず、静かな事務所です。
ソファに座って5分くらいは待ったと思います。
ママチャリで谷を一つ越え、山を一つ越えて
汗びっしょりだった背中も、
クーラーの冷気で完全に冷えてきました。
「悪い悪い。」
突然、その男性が目の前に現れました。
私はちょっと不意を突かれたような感じで慌てて立ち上がります。
「松藤といいます。」
とあいさつしながら右手が勝手に前に出てしまいました。
オーストラリア時代の
初対面の人にあいさつする時に握手する習慣がとっさに出てしまっ
その私の右手を
「T社のShimです。」
と言ってShimさんはしっかり握り返してくれました。
「あっ、すみません。
まだ名刺が無くて。」
「いいんですよ。
私もね、昔は海外によく出張してたから。
初対面の人に握手するのは久しぶりだなぁ。」
とShimさんは笑顔で答えてくれました。
私も少し、気持ちが楽になってきました。
「あっ、改めまして松藤といいます。
よろしくお願いします。
今日はお忙しいところお時間を作って下さいましてありがとうござ
「いやいや、
こっちも急に今日の午後来てもらって助かったよ。
僕はねぇ、東京の事務所には週に1日しかいないんでね。
東京に電話してもらってもなかなか連絡付かないから、
今度はこっちに連絡してよ。」
と言って名刺を渡されました。
名刺にはShimさんの名前の上に常務取締役と書かれています。
「こっちの川崎支店の方が連絡付きやすいと思うから。」
「ありがとうございます。」
ちょうど、事務の女性のひとりが
冷たいお茶を持ってきてくれたところでした。
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「それで、ウレタンの注入機が欲しいんだって?」
「はい。実は・・・。」