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2024.10.18ニッポン上げろ!

第433号(2024/10/11発行)ご縁・11

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
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こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。



【アップコン起業秘話】第432号(2024/10/8発行)ご縁・10 の続きです。
【アップコン起業秘話】まとめはこちら

 

「私たちの会社は
硬質ウレタンフォームの原液を製造販売する会社です。」

SKさんが説明します。

「その原液は産業界の様々な分野で利用されています。
主な用途としては断熱材として利用されています。
それ以外にも建築材料や家具・インテリアの
芯材などとして使われています。」

「はい。」

このウレタンは世の中のいろんなところで利用されてはいるのですが、
実は景気に左右されやすいという特徴も持っています。
景気が良い時はウレタン使用量も増えますが、
景気が落ち込むと同時に使用量は減少します。
それはウレタンが断熱材として、
建造物の新築時に主に使われるからです。
景気が良ければ新築物件も増え、ウレタン使用量も増える。
しかし、景気が冷え込むとその逆が起こるんです。」

「はい。」

「私たちの経営もこの景気の波に左右されてきました。
そして、何か断熱材ではなく、芯材でもなく、
第3の利用方法はないものかとずっと模索していたのです。」

「はい。」

「そこへ、今日、松藤さんがいらっしゃって
ウレタンをコンクリート床の沈下修正に使うとおっしゃったので、
私はすぐ専務に相談したんです。」

専務が後を続けます。

「私もSKから松藤さんの話を聞いた時は
面白い!と思ったと同時に、
ちょっと怪しいんじゃないかな?
とも、すみません失礼ですが、思ったんです。
なので、お時間かかってすみませんでしたが
最初からお話を松藤さんから直に伺いたかったのと、
いくつか質問もさせていただきました。」

「そうですか。」

「はい。それで私もSKと同じで、
これはビジネスになるかもしれないなと思ったんです。
それと、松藤さんがご説明している最中も
ずっと松藤さんの人柄を観察させていただきました。」

「えっ、そうだったんですか。」

「いや~、申し訳ありません。
うちの会社にも時々怪しい話を持ってくる人がいるもんですから
ちょっと注意しながら話を聞いていました。
もちろん、松藤さんに疑いを持っているわけじゃありませんよ。」

「ありがとうございます。」

「それで、私もこのチャンスをみすみす逃してはもったいないと思い、
社長に相談したわけです。」

 

「今度は私の番かな。」

と社長が話を代わります。

「松藤さん。
大体のことは専務とSKが申したので
私が付け加えることはあまりないのですが、
私は松藤さんの起業が成功するかどうかを心配していました。
もし、松藤さんの会社にウレタン原料を販売するとしたら
当然コンスタントに購入して頂きたいというのが私たちの想いです
しかし、私たちも大手の材料メーカーから独立して起業したので
起業時の大変さはよくわかっているつもりです。
経営が大変だった時に周りのお客様や商社様が
私たちをサポートしてくださって、今日まで来ています。
今度は私たちがサポートする側になるわけで
その覚悟が私自身にあるのかということを
自問自答しながら松藤さんのお話を伺っていたんです。」

「はい。」

「松藤さんも前社から起業という道を選び、
私たちも第3の分野へ進出するという道を選ぶときに、
どちらが得をした損をしたなどという次元の話ではないような気がしてきました。
なので、私たちが新材料にかかるコストを一切受けると同時に、
松藤さんには、
このウレタンを使った沈下修正事業を
必ず成功させてもらいたいと強く思っています。」

「ありがとうございます。
私もこの事業を必ず成功させて
社会に大きく貢献できるビジネスに発展させていきます。」

 

時刻は午後7時をとっくに過ぎ、
辺りは完全に夜になっていました。

私はエレベーターの前でもう一度振り返り
3人と再度固い握手をして言いました。

 

「どうぞこれからよろしくお願い致します。」

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