ホームニュース一覧第444号(2024/11/19発行)同時並行・1
2024.11.26ニッポン上げろ!

第444号(2024/11/19発行)同時並行・1

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
【メールマガジンの新規登録はこちら】



こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。



【アップコン起業秘話】第432号(2024/10/11発行)ご縁・11 の続きです。
【アップコン起業秘話】まとめはこちら

 

翌週の月曜日、暦は6月に入りました。
私は再びP社を訪問しました。
今日は週1度、P社の研究所所長が本社に出社するということで
材料開発についての第一回目の打ち合わせの日です。

所長は

「そうですねぇ、松藤さん。
松藤さんが希望しているウレタンの大体のイメージはわかるのですが、
何せ、何一つ数字のついたデータがないので
この開発は結構時間がかかるかもしれません。
何か目安になるようなものってほかにないでしょうか?」

「すみません。
前社を辞める時に、前社に関する資料はすべて置いてきているので
本当に何も持っていないんです。
あるのは私の経験というか、感覚みたいなものだけなんです。」

「いや~、本当に難しい。」

と、横に座っているSKさんが

「所長、お願いしますよ。
私も、松藤さんの話を聞いて、
この沈下修正事業を成功させたいと本気で思っているんです。」

「SK君、それはわかっているよ。
でもね、君も何もデータのないところから
新しいウレタンを作るっていうのがどれだけ大変なのか、わかるよね?」

「おっしゃる通りです。
でも所長、だから所長にお願いしているんです。
社長も、専務も同じです。」

私も

「所長、お願いします。
私にできることがあったら、なんでも協力しますから。」

「ううん、そうですか。
それでは、松藤さん。
2週間に1回のペースで私たちの研究所に通ってください。
そして、私たちの作ったウレタンが、
松藤さんが望んでいる物なのか、
毎回検証して改良を加えていくという、
ちょっと原始的ですけど、今のところこのやり方くらいしか
私たちにもできることはないんじゃないかと思っています。」

「もちろんです。」

「最初に何か一つでも基準となる数値が決まれば、
開発はスピードアップしてくると思いますから、
そこまでが本当に試行錯誤の日々になるでしょうね。」

SKさんが

「所長、大体どれくらいの期間で完成しそうですか?」

「SK君、それは全く分からないよ。
運がよければ1か月でできるかもしれないし、
そうじゃなければ何年もかかるかもしれないし。」

「所長、何年もっていうのはちょっと困るんですけど。
松藤さんも8月のお盆明けには会社を設立して活動しようとしているのですから。」

「何言ってるんだ、SK君。
君もうちの社員だったら、
新材料の開発がどれだけ大変か知っているだろう。」

「すみません、所長。
私も個人的にも
松藤さんの事業が成功してもらいたいと思っているもんで、
つい言いすぎました。」

私は

「SKさん、ありがとうございます。
所長、私も何年もというのは実は本当に困るんですけど、
でも今は所長にすべてをお任せしますので
新材料の開発をスタートしてください。
私も2週間ごとに研究所に伺い、
できる限りのことをしますので、よろしくお願いします。」

こうして2003年6月、
日本初の沈下修正用ウレタン樹脂の開発が始まりました。

 

 

忙しさが加速します。

カテゴリー