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2020.10.12ニッポン上げろ!

第14号(2020/10/9発行)【前編】あれが人生の転機だった

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。

 

 

第14号(2020/10/9発行)

 

 

 

あれが人生の転機だった【前編】

 

 

 

こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。

今回は〔ニッポン上げろ!〕12号”彼”の続きです。

 

さて、
玄関のドアスコープから外を見てみると
3か月前に訪問した会社のラグビー選手のような“彼”が立っていました。

 
ドアを開けると
「Hello, Nobu !」
と、あの純真な子供のような笑顔。

 

ドアを開けると

 
「花は気に入ったか?」
「来週の月曜日は時間あるか?」
「見せたいものがある。」
「現場に行こう!」
「コンクリートは本当に上がるぞ!」

 
 
マシンガンのような早口で間髪を容れずにたたみかけてきました。
 
 

熱い気持ちの入った“彼”のオージーイングリッシュに圧倒されて
(花をもらった手前もあって)
 
「ォ、OK。」と私は答えてしまったのでした。
 

 

 

 
月曜日の朝、さわやかな快晴の日、
“彼”の事務所の前には大きなトレーラーが1台
エンジンをかけたまま停まっていました。
 
トレーラーの平型の荷台の上には
20フィート(約6メートル)コンテナが載っています。
その薄い水色のコンテナの側面には、白い作業着を着た人が
横向きでひざまずいているような絵がペイントされていました。
 
 
“彼”が現われました。

 
「Good Morning, Nobu !」
「彼らはジョンとピーターとジョーだ」
「今から現場に行くから、このトレーラーの後について行ってくれ」
「私は他の仕事があるから現場にはいかない」
「後は全部ジョンが説明してくれるから大丈夫だ」
 
「No Problem. Good Luck !」
 
と言い残して事務所の中へさっさと消えていってしまいました。

 

 

 

「え~っ! なんか約束と違う。」
と言っても、“彼”の事務所に集合して現場を見に行くとだけの約束だったので
詳細なことは一切言われてはいませんでした。
だまされたような気持ちと初対面の3人を前にしている不安な気持ちが交差している中、

 

 

「このトレーラーに付いてきてくれ」
「僕はジョン。あとピーターとジョー」
「Your Name ?」

 

顔にニキビ跡がある少し赤毛のジョンがリーダーシップをとって話しかけてきました。
 
「I’m Nobu. Nice to meet you 」
 
とあいさつすると
 
「ここから北西の工業団地へ行く。出発しよう!」
 
と言って3人はトレーラーに乗り込みました。
私も急いで自分のパサートに乗りトレーラーの後を追いました。
 
 
 
約1時間弱のドライブで私たちは目的地である化学工場に到着しました。
 
化学工場と言っても彼らが施工するエリアは
小学校のような建物の1階にあるひと部屋でした。
広さもちょうど2教室分くらいのほぼ正方形の部屋で、
化学物質を計量したり実験したりするために使われる部屋だそうです。
 
教室のように一方は腰から上くらいが全面窓で、
反対側の壁は出入り口の扉が一つあるだけです。
普段は机や測定機器が置いてあるそうですが、
今日は工事のためにそれらはどこかへ片づけられ部屋の中は空になっていました。

 

 

ピーターが部屋の中を案内してくれました。
ピーターのガールフレンドは日本人だそうで、日本語が少し話せます。
 
「Nobu, この部屋の真ん中の床が下がっているのが分かるかい?」
 
と言われて、薄い黄色のPタイルが張られているコンクリート床に目を落とすと、
確かに真ん中あたりが周りの床よりも低くくぼんでいる感じです。

 
「この床は部屋の角から比べると真ん中で80ミリ低くなっているんだ」
「ここは精密な検査をするところだから床が真っ平じゃないとダメなんだ」
「僕たちはこれを今日一日で直すんだよ」

 

「Nobuは部屋の端でそれを見ていてくれ」

 
と言ってピーターは準備のためトレーラーへ戻っていきました。

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