※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
2001年3月
“彼”から呼び出しがありました。
喜怒哀楽の激しい”彼“は、今日は「喜」の日のようです。
「Nobu, これを見てくれ!」
渡されたのは英文のマーケットリサーチの報告書。
数十ページはあるでしょうか。
「Nobu, このページだ。この文章を読んでみろ。」
急かすように“彼”は自ら付箋の張ってあるページを開き、
太字で書かれている結論らしきところを指差してきました。
そこには
POSSIBILITY : 0%
「えっ?何のPossibility?」
「我々のビジネスが日本進出で成功する可能性だよ。」
「それがゼロパーセント?」
「そうだ。Nobu, おめでとう。」
「いやいや、ゼロパーセントですよ?何を喜んでいるんですか。」
「
我々のビジネスが既存のビジネスと比較できないので、このレポートはゼロとしか表現できないんだ。」
「言っている意味が分かりません。」
「ライバルは一人もいないんだよ。独占ビジネスだ!」
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私は”彼“の顔を見て報告書の「ゼロ」を見て、
また”彼“の顔を見てということを何度も繰り返していました。
そこにNo.1セールスマンのティムが近づいてきて
「Nobu, Congratulations! Zero
と一言言って営業に出かけました。
「何でコングラチュレーションなんて言うんだ。」
私はぶつぶつ独り言を言っていました。
日本でのビジネスの可能性がゼロと報告書に書かれているのに
”彼“
可能性がゼロなら行く必要ないじゃないか。
私は自分の設計事務所を閉じてまでこのビジネスに取り組んでいた
理解しかねている私に“彼”は上機嫌で
「Nobu, 今晩食事に行こう!」
と誘ってきました。
私は
「いいけど、それではその時に理解できるように説明してほしい。
と言って19時にタイレストランで会う約束をして事務所を後にし
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クロウズネストにあるタイレストランは観葉植物を多く配置してい
熱帯の国というイメージを醸し出しています。
屋外テラスもあり、室内外とも多くの客でにぎわっていました。
私たちは室内の滝?が流れている近くに席を取りオーダーします。
“彼”はお酒はあまり飲みません。
私は大好きなので白ワインをボトルで注文しました。
今日は”彼“もグラス1杯付き合うそうです。
何で今日は上機嫌なんだ?と思いつつ、
乾杯して料理が来るまでの間に話を聞くことになりました。
「Nobu, このレストラン繁盛しているだろう。」
確かに席はほとんど予約客で埋まっているようです。
BGMと客の談笑で店内はがやがやしている感じです。
「Nobu, なんでこのレストランが人気なのか分かるかい?」
えっ?
今晩はPOSSIBILITY : 0%
”彼“は話しを続けました。