こんにちは! コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。 |
それから1週間の間、シドニー本社の”彼“との交渉は大変でした MSDSを送ってもらうだけなのに、 何で本社と交渉というほどのやり取りをしなくてはならなかったの 旧建設省から帰ってきた私は、直ぐ“彼”へ電話で報告しました。 日本ではウレタンを使った沈下修正工事(地盤改良) “彼”は 「それはそうだ。 以前マーケットリサーチでもビジネスの成功確率ゼロパーセントと 要するにライバルはいないということだ。」 電話越しに自慢そうに話している“彼”の姿が想像できます。 続いて私がMSDSの提出を要求されていることを伝えると突然 「Nobu,それはできない。」 ときっぱりと一声。声のトーンも変わりました。 そして、 「何でMSDSが必要なんだ? 材料の詳細はトップシークレットだ。 その担当者が本当にそんなことを言っているのか?」 さらに最後には 「おまえが材料の詳細を知ってどうするんだ?」 などと、 何度も何度も一から同じ話を永遠と繰り返し、それでも一貫として 「No.」 と跳ね返し続けてくるため 「それでは担当者へ直接MSDSをFAXするのではどうですか? という私の提案でその日の電話は一旦切ることになりました。 翌日、旧建設省の担当者へ連絡すると、 すんなりオーストラリアから直接FAXすることにOKが出ました 担当者は 「しかし、おかしいですね。 これから材料を海外から日本へ輸入する時にもMSDSは必要にな トップシークレットと言うほど特別なことでもないと思うのですけ と、多少の疑問を感じ取ったようでした。 さて、 ということを“彼”へ伝えたものの 担当者はどんな人だ?とか、その課は何をやっているのか?とか、 何人ぐらいいるのか?とか、 約束の1週間後の朝、 午後1時のアポイントだったので出かける支度をしている時に 担当者から電話がかかってきました。 「今朝、ようやくMSDSがFAXで届きました。」 「えっ?今頃ですか? 遅くなってすみませんでした。」 私は先日の電話の後に“彼” (確認していなかったことは反省です。) 「で、MSDSの内容はどうでしたか?」 「いえ、別段変わったところは何もないので、 逆にどうしてオーストラリアの代表の方がそんなにMSDSを提出 嫌がっていたのかよくわかりませんね。」 「公害という観点ではどうでしょうか?」 「問題ないようですね。」 「そうですか。良かった。」 「私もその後調べてみて、 別段問題がないということまでは分かってきました。 先週お会いした時に、 注入後、 イソシアネート自体は危険物に指定されていますが、 短時間でウレタンという個体になるようであれば土壌に対しての影 考えられないといっていいのではないかと思います。」 「良かったです。」 「本日、こちらの省にお越しいただく予定でしたけど、 内容は今この電話でお伝えした通りですからもうお越しいただかな 「わかりました。 あの、 「そうですね。 わかりましたので。 後は必要な許可を取得されてスタートされたらよろしいかと思いま 「類似の工法がないと先週おっしゃられていましたけれど、 それではなんという工法名をつけたらよいでしょうか?」 「逆に既存の工法名と同じとか類似していなければ、 後はご自由に考えていただければよろしいかと思います。」 「そうですか。ありがとうございます。」 「あと、このMSDSのFAXですが、 あなた様へは渡さずにこちらで処分するようにと書かれていますの 「えっ?そんなことまで書かれていたのですか。 分かりました。お手数ですが処分をお願いします。」 担当者との電話を切るとなぜかほっとした気持ちとなり、 力が抜けていくような感じになりました。 早速、”彼“へ報告すると 「Well Done. よくやった。」 の一言で、 言い始めたので、早々に電話を切ることにしました。 電話を切った後に残ったのは、 「なぜ私にはMSDSを見せようとしなかったんだろう?」 という疑問でした。 この疑問は約1年半後に再び沸き起こることになります。 |