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2022.01.25ニッポン上げろ!

第148号(2022/1/21発行)See ya , mate & Sydney!

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。

こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。




第147号(2022/1/18発行)See ya, mate!の続きです。
【アップコン企業秘話】今までのまとめはこちら。





「Nobu, なにやっているんだ。」  



1月中旬のとある日の夕方、
“彼”が突然キャマレイの私たちが住むサービスアパートを訪問してきました。  

シドニーは真夏です。  

と言っても夕方になると日差しも弱まり過ごしやすい時間帯になります。  
 

  
「どうしたんですか?良くこの住所がわかりましたね。」 

 私は“彼”に引っ越したこと、
さらにこれから家族で日本へ帰国することを伝えていませんでした。  

「ティムから聞いたんだ。Nobuがキャマレイに引っ越したっていうことを。」  

ティムは私に沈下修正の営業を教えてくれた
アイルランド訛りで巻き舌の営業マネージャーです。  

「そうですか。で、突然どうしたんですか?」  

「Nobu, なんで引っ越しなんかしたんだ。
家族も日本へ帰るって言うじゃないか。」  

「すぐには帰国しないですけどね。3月ごろの予定です。」  

「Nobuは日本へ帰って、もう私の仕事を辞めるつもりなのか?」  

「えっ?まさか。何言っているんですか。これからスタートじゃないですか。」  

「家族そろって帰国する必要なんてないじゃないか。」  

「まあ、落ち着いてくださいよ。
部屋は荷物がいっぱいだからタイフードレストランへ行って話しましょうか。」  

“彼”とよく行っていたタイフードレストランは、
引っ越したため今度は徒歩3分の近さになりました。  


“彼”はぶつぶつ独り言を言いながら私に付いてきました。  
 





白ワインと軽い食事を一通りオーダーすると
“彼”は再び私に質問してきました。  

「Nobu, なんで日本へ帰るんだ。」  

「ちゃんと説明していなくてすみませんでした。
昨年は日本法人を立ち上げ、事務所も福岡に設立し、
今は、これから会社を運営していく段階に入りました。」  

「その通りだが。」  

「私は3年以内にこの会社が自立できるよう本気で取り組んでいくつもりです。」  

「もちろん、頼むよ。」  

「妻は私が日本で会社を設立したら、
またシドニーで一緒に生活できるものと思っていました。」  

「そうすればいいじゃないか。」  

「いいえ、それは結構難しいことなんです。
設立したばかりの会社に私がいなかったらどうやって運営していくのでしょうか。
現地で人を雇っても、何か事あるごとに日本とシドニーを往復していては
時間もお金も足りません。」  

「だったらNobuが3年間日本へ行って、
その後誰かに任せてシドニーへ戻ってくればすむだろう。
私は最初からそうするものだと思っていたぞ。」  

「そうですね。私も最初はそうしようと思っていました。
3年と言ってもあと2年と半年ぐらいですからね。」  

「あっという間だ。」  

「私にとってはそうかもしれませんがシドニーに残る家族にとってはそうでもありません。」  

「その間にもちょこちょことシドニーへ戻ってくればいいじゃないか。」  

「ありがとうございます。
でも日本のビジネスを成功させようと思ったら
どっしりと日本に両足置いて取り組まなければいけないと思っています。
そのためには3年経っても私は日本にいたほうが良いと思っています。」  

「Nobuの家族もそう思っているのか?」  

「はい。昨年末から妻と何度も話をしました。
シドニーは本当にいいところです。
ずっとシドニーで暮らしたいと私たちは思っています。
ですが、私が建築設計の仕事を辞めてまで生きがいを感じる
今の仕事を成功させる方が、
もっと私たち家族にとって幸せになるのではという結論に至りました。」  

「それで?」  

「日本のマーケットはオーストラリアよりも大きいと思っています。
私はあなたが投資している日本法人を
オーストラリアのあなたの会社よりも大きくしたいと思うようになりました。
大好きなシドニーから離れても
多くの人が喜ぶ沈下修正の事業を日本で展開していきたいと思っています。  
そのためには失敗はできません。  
家族も離れて暮らすよりは一緒に日本へ行きたいと言っています。」  

「そうか。」  

「私は今月の下旬には福岡へ行き、
ビジネスをスタートする予定です。
そして、3月ごろ1回こちらへ戻ってきて今度は家族で日本へ帰国しようと思います。」  

「そうか・・・。」  


・  

・  

・  

「Nobu, 
お前がそこまで日本法人のことを考えてくれているとは思ってもみなかったよ。
ありがとう。」  


「いいえ、私こそあなたにお礼を言いたいです。
沈下修正という多くの人を喜ばせることのできるビジネスに出会わせてくれて。
ありがとうございます。」  
 


1月の下旬、私は真夏のシドニーから真冬の福岡へ飛び立っていきました。

 

第一章 完

 

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