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2022.04.08ニッポン上げろ!

【社長メルマガ】黒川紀章さん

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ

〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。

第169号(2022/4/5発行)

黒川紀章さん

こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。  

中銀カプセルタワービル




先月撮った写真です。  


このビルの解体工事が1週間後の12日から始まります。
保存・再生プロジェクトの夢もかなわずに。  

建築家・黒川紀章さんの代表作の一つであり、
メタボリズムを象徴する名建築です。  

1972年竣工なので今年でちょうど築50年になります。  

コンクリート構造物の宿命かもしれません。
また、設備関係が時代の進化に追いついて来られなかったせいかもしれません。  
   


私は大学1年生の夏休みに数か月ほど
黒川紀章建築都市設計事務所でアルバイトしていた時期がありました。
その当時の私の時給は100円でした。  

昔だから安かったのではありません。  

当時は飲食店でも時給は500~700円くらいだったと思います。
100円でも、私を含めアルバイトの学生は懸命に働いていました。
仕事の内容はコピーを取ったり、資料を運んだりと
本当にお手伝い程度の内容でした。  

事務所の中はいつも緊張感に満ちた状態でピリピリした雰囲気でした。  

事務所で働いている社員の人達はみんな優秀で
いつでも一人で独立できるような人たちばかりでした。
しかし、黒川先生はさらに彼らのキングのような存在でした。

普段、私たちは黒川先生をお目にかけることはありませんでした。
事務所にいらっしゃらないことがほとんどで、
いらっしゃる時は打ち合わせばかりしておられました。
たまに事務所の中を超高速で歩いている姿を拝見することはありましたが。 

当時は建築を専攻する学生の中には
ただでもいいから働きたいという人がたくさんいました。  

この緊張した事務所の中で建築に挑む姿勢を直に感じ取ることができるのですから。  

私も影響を受けました。  

デザインではなく、
仕事に向き合う姿勢です。ありがとうございました。  
   


黒川紀章さんは2007年にお亡くなりになられました。
そして、中銀カプセルタワービルは2022年に解体されます。  

東京では再開発プロジェクトが目白押しです。  

一時のスクラップアンドビルドではなく
都市交通を含めた総合的な開発プロジェクト型になってきました。
その時代の流れには中銀カプセルタワーも逆らうことはできませんでした。  


これからも世界中に建造された黒川紀章作品は
時代とともに取り壊されていくのでしょうが
少なくとも建築界に残した彼の功績はたたえられ続けていくと思います。

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