※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
第207号(2022/8/16発行)
ゼロからイチへ・2
こんにちは! コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。 今回は【アップコン起業秘話】第206号(2022/8/12発行)ゼロからイチへ・1の続きです。 【アップコン起業秘話】まとめはこちら 場所は福岡空港近くの鋼材加工工場。 N部長が指差す方向は 壁際のコンクリート床が大きく折れ曲がっていました。 「結構、落ちていますね。」 と私が言うと、 「そうなんです。 だからこうやって鋼材の足元でレベル調整しているんです。」 とN部長が今度は鋼材の下を指差します。 斜めに傾いている床の上には枕木のような木材が置かれ 木材の高さでその上に置かれている鋼材が水平になるように調整されていました。 ざっと見ても、20センチから30センチくらい床が下がっているようです。 私はいくつか質問します。 「いつ頃からこの床は下がっているんですか?」 「ここはもともと別の倉庫だったんです。 その時はそんなに下がってなかったんですけど 私たちがここを購入して 鋼材の資材置き場として使い始めてからすぐに床が下がり始めました。 15年位前のことです。」 「そうですか。 ひび割れた床にも何度か補修した跡が見られますね。」 「取り敢えず、ひび割れがこれ以上大きくならないように 補修してみたんですけど、補修してはまたひびが大きくなって 補修するということを毎年繰り返している有様です。」 「ということはまだまだ床は下がり続けているかもしれませんね。」 「いやー、それでも最近は落ち着いてきているみたいなんです。」 「そうですか。 ところでこの鋼材はどれくらいの重さがあるのですか?」 「ざっと6~7トンというところでしょうか。 大きさによっても違いますが。」 「それでは2段重ねや3段重ねになっているところは、 その2倍3倍の重量ということですね。結構な重さですね。」 「そうですね。 このままだとそういう重さになってしまいますが、 重ねている鋼材は施工の時は動かすこともできますよ。」 「あ~、それを聞いて少し安心しました。」 「元々この建物は重量物を置くようには作られていなかったところに 私たちが鋼材を置くようになって下がってしまったんだと思います。」 「そうでしょうね。 コンクリート床の厚さも割れたところで見る限り15センチもないですしね。」 私は現場視察しながらひととおりのヒヤリングをしていました。 この鋼材加工工場の資材倉庫の面積は約500㎡。 最大沈下量は30センチ。 鋼材を一部動かしてもらったとしても平米6~7トンの積載荷重。 そして図面は平面図しか残っていないということ。 私は少し焦り始めました。 ・最初の施工物件にしては広すぎないか? ・沈下しすぎではないか? ・重すぎないか? ・情報少なすぎでは? そして、施工することになったとしても、 現在メンバーは私を含めて3人しかいません。 アルバイトの人を入れたとしても、 施工について知っている人は私以外誰もいません。 彼らに施工を教えながら施工をしていくのは難しそう。 いや、絶対無理だ。 う~ん。せっかくのチャンスなのに 「できません」と言って断らないといけないのだろうか? もし、受注したらリスクが大きすぎるのではないだろうか? 初めての現場らしい現場、受注できそうな現場なのに。 考えれば考えるほど焦ってきました。 |
・・・続きます |