※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
第208号(2022/8/19発行)
ゼロからイチへ・3
こんにちは! コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。 今回は【アップコン起業秘話】第207号(2022/8/16発行)ゼロからイチへ・2の続きです。 【アップコン起業秘話】まとめはこちら 初めての仕事。 約500平方メートルという規模。 うれしいけれど、失敗したら大変なことになりそうだ。 補償問題などになってしまったら、もう会社は続けていけなくなるかも。 ・ ・ ・ なんでこんなに弱気なんだろう。 始めなければ成功も失敗もないのに。 頭の中でいろいろなことがぐるぐる回っているのがわかる。 受注してちゃんと立派に沈下修正を完了できたら、 最高のスタートを切ることができる。 でも、失敗したら立ち直れないほどのダメージを受けてしまう。 もう少し、冷静に考えなくては。 ・ ・ ・ そう! この現場はやはりリスクが大きすぎる。 それは自分たちの技術が、この規模の仕事をするレベルにはまだまだ達していないからだ。 シドニーで施工していた時は、この規模なら4人のメンバー全員が注入できる技術を持っていた。 ところが日本では施工ができるのは私一人しかいない。 KZやDIの技術を上げていくには時間がかかる。 だって彼らは本当の沈下修正を見たことすらないのだから。 ・ ・ ・ 諦めよう。 せっかくだけど、残念だけど、 もし、万が一、施工途中で施工できないなどのようなことが起こったら 取り返しのつかないことになってしまう。 せっかくお声をかけて下さったN部長にもご迷惑をかけてしまう。 せっかく入社してくれたKZやDIにも迷惑をかけてしまう。 さらに、ウレタン注入なんてダメだよ、なんてレッテルを張られてしまっては ますますビジネスがやりにくくなり、”彼“にも申し訳たたなくなってしまう。 そう! これは断るべきだ。 できませんと言って謝ろう。 「N部長!」 私はN部長の目を見て言葉を続けようとしたところ、 「松藤さん、これは難しいですかねぇ。」 N部長はすべてを察しているかのように話し出した。 「まだ、会社を立ち上げたばかりで 初めての仕事にしてはちょっと難しいかもと思うんですが、どうですか?」 なんと、自分から言わなくてはいけないことをN部長が話す。 「うちもいきなりこの資材倉庫を実績のない会社に任せるのは、 ちょっとリスクあるかなと思っているんですよ。」 「はい。私もちょっと難しいかなと思っています。」 「そうですよね。 もう少し実績を重ねてからここをやってもらうほうが、うちも安心できますからね。」 「はい。今回は残念ですけれど、私もそう思います。 本当に申し訳ございません。 せっかく良い現場をご紹介してくださったのに、力不足で。」 「いや、いいんですよ。 で、松藤さん。 もう1か所見てもらいたいんですけど、いいですか?」 「もちろんです。」 「それじゃあ行きましょう。」 私たちは工場の一番端、搬入口へと向かいました。 ・ ・ ・ N部長が搬入口のボタンを押し、シャッターを上げます。 「松藤さん、これです。」 ・・・・・ |
「アッ!これ直せます!」