※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
第220号(2022/9/30発行)
ゼロからイチへ・7
こんにちは! コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。 今回は【アップコン起業秘話】第219号(2022/9/27発行)ゼロからイチへ・6の続きです。 【アップコン起業秘話】まとめはこちら |
施工計画が決まったら見積書の作成です。 今回は1パターンのみの見積書を作成します。 もちろん現場の状況やお客様のリクエストによっては 複数パターンの見積書を同時に作成することもあります。 さて、床レベルはシャッターのある間口からマイナス5センチの段差があり、 その間口から奥へ5メートル入ったところが最下点でマイナス10センチ。 さらに5メートル奥へ行くとマイナス5センチになっています。 施工範囲はシャッターのある間口が7メートル。 よって、間口から10メートル奥まで入った計70㎡を施工対象範囲としました。 見積書作成はシドニーで十分経験を積んでいるので 何も問題ないと思っていたのですが、実はそうではありませんでした。 一番の違いは人件費が高いということでした。 材料費も輸入コストや保管コストなどで割高になっています。 さらに、本社であるシドニーの“彼”からは 粗利率がかなり高く設定されているため 見積金額がますます高くなってしまいます。 私は学生時代からお世話になっている渋谷の建築設計事務所に連絡し、 コンクリートで打ち替えた場合のコストが どれくらいかかるのかを教えてもらうことにしました。 そしてその価格を参考に、 同程度の価格で施工できるかどうか見積もってみました。 しかし、残念ながら結果は打ち替え工法の倍近い価格に。 もし、私が施主の立場、すなわちN部長だったとしたら 「全く見たことも聞いたこともない日本で初めての工法が 従来工法の2倍の価格だとしたら、 見積金額を見た瞬間に施工を断るだろうな」 と思い、シドニーの”彼“に相談してみることにしました。 |
電話で”彼“に状況を説明すると 「Nobu, 今回は実績を作るのが一番だ。 もちろん今後は利益を取っていかないとこのビジネスは続けられない。 だが、とにかく最初の施工実績を作るのが最も大事だ。」 と言います。 オーストラリアでゼロからビジネスをスタートさせた”彼“だからこそ ゼロからイチへの難しさ、大変さ、重要性を知っているのだと思います。 そして今こそゼロからイチへと大きく前進する大チャンスだと この機を絶対に逃してはならないと”彼“は感じ取ったのだと思います。 ”彼“は金額について 「コンクリート打ち替え工法と同額にしろ」 と指示してきました。 さらに“彼”は 「もうひとり施工スタッフを臨時で採用しろ」 と指示。 さらにさらに、びっくりしたのは 「施工日程が決まったら教えろ。ジョンを日本へ送る。」 と言ったのでした。 「えっ!ジョン!ジョンが日本へ来るの?」 私は思ってもなかった”彼“の言葉に、 つい大きな声で聞き返したのでした。 ジョンは私にウレタンの注入工法を初めて教えてくれた人です。 そして技術的にもオーストラリアNo.1の腕前の人です。 そのジョンが日本へ来る。施工現場へ来る。 「そうだNobu.お前ひとりじゃ心配だ。 だからジョンを日本へ行かせるんだ。 Nobuがちゃんと施工できるかどうかジョンに見張らせておくんだ。 もし何か困ったらジョンがアドバイスしてくれるから安心しろ。」 「ウッ、うれしいです!大感謝です!」 「ジョンもシドニーの施工で忙しいんだ。 だからなるべく早く日程を決めて連絡しろ。」 と言って”彼“は電話を切ったのでした。 「ジョンに見張らせる」だなんて、 ”彼“も心配してくれているんだなと思い、 急いで見積書を仕上げN部長の所へ説明しに行ったのでした。 |