※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
今回は【アップコン起業秘話】第233号(2022/11/発行)初めての施工・1の続きです。
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8月の最後の日曜日、午前10時。
日本初、
ウレタンによるコンクリート床の沈下修正工事の始まりです。
事前に
段差修正から行うのか、
再沈下部の床沈下修正を行うのかを協議した結果、
再沈下部から注入を行うことに決定しました。
ガッガッガッガッ!
KZが振動ドリルで削孔します。
DIはN部長と少し離れたところで様子をうかがっています。
注入は松藤本人が行います。
久しぶりの注入なのでドキドキですが、
隣にジョンがいてくれるので安心です。
さあ、ウレタン注入開始です。
特殊なノズルと共に注入ガンをセットし、トリガーを引きます。
シュシューッ!シューッ!
ほんの数秒のことですが、緊張しています。
目の前のガンだけしか見る余裕がありません。
ゴム手袋をしている手のひらはじっとり汗ばんでいます。
ジョンの指示で注入時間と注入間隔が決められています。
次の注入です。
シュシューッ!シューッ!
もう1回。
シュシューッ!シューッ!
ピッ!
目の前に置いてあるレシーバーがコンクリート床の動きをキャッチしました。
まだ床は上がっていません。
ですが、動きをキャッチしたということは
これから上がっていくということです。
注入を続けます。
シュシューッ!シューッ!
ピーッ!
1ミリ上がり始めました。
日本で初めてウレタンの発泡圧力によって
コンクリート床が持ち上げられた瞬間です。
ジョンも安心したのか
「Nobu, Keep going.」
「Good job!」
と声をかけてくれます。
KZもDIもN部長も近づいてきてレシーバーをのぞき込みます。
シュシューッ!シューッ!
ピーッ!ピーッ!
「おおっ!上がっているよ!」
「本当だ!上がっている!」
自社の社員が、床が上がることに興奮しているようではどうしようもありません。
しかし、彼らにとっては生まれて初めて見る光景なので
それもしょうがないことかもしれません。
私がオーストラリアで初めて見た沈下修正の現場でも
お客様が部屋の外の廊下でキャーキャー騒いでいたものでした。
注入を続けます。
シュシューッ!シューッ!
ピーッ!
床が上がるのが確認されたら、後はこの作業を繰り返すだけです。
「Stop!」
ジョンが注入を止めるように言いました。
注入開始から約15ミリ上がりました。
このまま同じところで注入し続けていたら、
床にひび割れが発生するリスクがあります。
少し離れた床を指し、ジョンが次はここに注入すると指示します。
すぐさま、KZがドリルで削孔します。
私がその後注入します。
1か所あたり10~15ミリ床が上昇したら
場所を変えて注入を繰り返します。
1時間程でたわんでいた床は平たんになってきました。
N部長が
「すごいですねぇ~!」
と感心しています。
私は
「次は段差になっているところに注入します。」
と言って入り口のシャッター付近の段差修正に取り掛かります。
基本、注入の手順は一緒です。
ただし、段差の部分には隙間があるので
そこからウレタンが漏れ出てくる可能性があります。
しっかりと段差の上をビニールで養生します。
もう一つ心配しなくてはいけないことは、
長期間、段差のまま放っておいたので隙間に石などが入り込み
それらが引っかかって床が上がる時に邪魔することがあります。
N部長にはその件も事前に説明し、了解はいただいています。
さあ、注入再開!
シュッシュッ!シュッシュッ!
ジョンの指示通り注入時間と注入間隔を変更します。
シュッシュッ!
・
・
・
ボゴボゴボゴボゴッ!
「S*T*O*P*!!!」