※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。
こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。
今回は【アップコン企業秘話】第238号(2022/12/2発行)初めてのクレーム?・2の続きです。
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バンッ!
突然、ものすごい音が。
ダッダッダッダッ!
N工務店の社長が居間から走ってきて私に聞きます。
「どうした⁉」
「今、床下からすごい音がしました。」
「何があったんだ?」
「ちょっと待ってください。ジョンに聞いてみます。」
私は雨が室内に入り込まないように少しだけ掃き出し窓を開け、
ジョンを呼びます。
「ジョン、今の音は何?」
「Nobu、基礎が何かに引っかかっていたのが一気に取れたみたいだ。
KZと一緒にすぐ室内のレベルをもう一回測量してくれ。」
「OK!」
私はN工務店の社長と心配そうにしているご婦人に対して
「ちょっと待ってください。今すぐに床レベルを測量しますから。」
と言って、室内に入ってきたKZと一緒に測量を開始します。
すると、今まで2~3ミリしか上がっていなかった
角の床レベルが一気に25ミリも上がっているではありませんか。
私はジョンに床レベルを伝えます。
そしてジョンからの報告をN工務店の社長とご婦人に説明します。
「何回か注入を繰り返し続けていたのですが、
上りが非常に悪かったんです。
最初はこの雨のせいで地盤が緩んで反力が取りにくいのかなと思っていたのですが
どうもべた基礎のひび割れていたところに
何か石かコンクリートの塊のようなものが引っかかっていて
基礎が上がるのを邪魔していたみたいです。
それが外れたみたいで一気に基礎が持ち上がった時の音のようです。
これからはウレタンの注入量を少しずつにして
レベルを少しずつ上げていきます。
もうさっきのような音は出ないということです。
驚かせてすみませんでした。
後はコントロールしながら床レベルを水平にしていきますから
どうぞ安心してください。」
私の説明が終わるとジョンが掃き出し窓を開け外から
「Sorry. もう大丈夫。」
と雨の中から笑顔で答えています。
彼の笑顔を見てご婦人も少し安心したのか
「ちょっと、休憩にしましょうか。温かいお茶をお出ししますので。」
と言ってくださり、私たちは小休憩を取ることにしました。
休憩後も雨脚は弱まることはなく、
私たちは昼休みを取らないで続けて施工しようということにしました。
休憩後は順調に床レベルが上がっていきます。
N工務店の社長もご婦人も自分たちが立っている床が
一緒に上がっていくことが楽しいようでした。
50ミリ下がっていた床は見事に±0まで修正され、
午後2時過ぎに私たちはこの住宅を後に福岡へと帰って行きました。
途中、高速のパーキングエリアで遅いランチを取り、
その日は一旦事務所に戻った後、
翌日は午後から全員集合ということで解散となりました。
無事、台風が近づく雨中の住宅施工は完了となりました。
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翌日の朝、9時頃。
事務所の電話が鳴ります。
「もしもし。昨日お世話になった宮崎の○○ですけど。」
「あっ、○○さん、おはようございます。」
「実はN工務店の社長にも電話したんですけど、
松藤さんに直接言った方がいいと言われてお電話差し上げています。」
「はい、どうかしましたか?」
「昨日、床を上げてもらって平らになったのは良かったんですけど・・・。」
「はい。」
「一晩中眠れなかったんです。」
「えっ、どうしてですか?」
「いつも頭の方が下で、足が上がっている様に寝ているんですが、
昨日は全部真っ直ぐで気持ち悪くなっちゃって。」
「と言われても・・・。」
(クレーム??)
「冗談ですよ!眠れなかったのは本当ですけど、
床が平らになってうれしくって松藤さんやみなさんにお礼を言いたくて、
本当にありがとうございました!」