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2023.03.03ニッポン上げろ!

第263号(2023/2/28発行)ミーティング・4

※この記事は沈下修正の専門家アップコンの社長メルマガ〔ニッポン上げろ!〕のバックナンバーです。

 

 

こんにちは!
コンクリートを上げるからアップコンの松藤です。

【アップコン起業秘話】第262号(2023/2/24発行)ミーティング・3の続きです。
【アップコン起業秘話】まとめはこちら

 

 

“厄介な問題”
とは材料の環境における安全性についてです。
当時、日本ではアスベストによる健康被害が問題となっていました。

アスベストの問題はそれ以前から指摘されていて、
1975年に5重量%を超える石綿の吹付けを原則禁止
1995年に1重量%を超える石綿の吹付けを原則禁止
と法制化されていました。

(後に、
2004年に1重量%を超える石綿含有建材等、10品目の製造等禁止
2006年に0.1重量%を超える石綿含有製品を使用禁止(一部、猶予措置あり)
と、強化されていきます。)

アスベストによる健康被害は
「潜伏期間が長く、問題が明るみに出るまで時間がかかったこと」
が問題の一つであると言われています。
それでは、ウレタンについてはどうでしょうか?
当時はウレタン生成時、発泡剤としてフロン化合物を使用することが一般的でした。
しかし、1997年、京都で開催されたCOP3(地球温暖化防止京都会議)、
いわゆる「京都議定書」にて今後6種類の温室効果ガスを削減することが国際約束されました。

そしてフロン化合物はこの6種類の温室効果ガスの一つでした。

このニュースは世間一般には
アスベスト問題ほどには取り上げられていませんでした。
しかし、私たちが沈下修正時に使用しているウレタン樹脂に
もし、フロンガスが内包されているとしたらどうでしょうか?
コンクリート床の沈下修正はウレタン生成時の発泡圧力によって行われています。
この発泡圧力は液体のポリオールとイソシアネートの化学反応によって生成される
固体(ウレタン)が泡状の集合体となり、
液体から固体へと変化する時の体積の膨張によって、圧力が発生します。

液体→クリーム状態→ゲル状態→固体

ゲル状態の時に爆発的に体積が膨らむことによって、
土中という半密閉状態の空間では圧力が生じ、その圧力を利用して沈下修正が行われています。
そして、最終的に固体となったウレタンは小さな泡の集合体ですが、
非常に安定した化合物となります。

その小さな無数の泡ひとつひとつに、何のガスが入っているのでしょうか?

当時はウレタン=フロン発泡というのが常識でした。
それでは、今私たちが使っている(作っている)ウレタンにも
フロンガスが内包されているのでは?と考えるのが自然ではないでしょうか。

ウレタンは長期的に安定した化合物です。
なので、ウレタン=地球温暖化とはすぐには結びつかないかもしれません。


しかし、


「潜伏期間が長く、問題が明るみに出るまで時間がかかったこと」


これが、アスベスト問題です。
フロンガスを内包したウレタンは、その破壊時、すなわちアスベストと同様に、
解体時などでウレタンが崩壊されるときにフロンガスを大気中に放出すると言われています。
今は問題ではなくても、将来問題となることが京都議定書で指摘されたわけです。


ウレタンによる沈下修正を依頼したお客様はおそらく誰一人として
ウレタンにはフロンガスが内包されていることを知らないのではないでしょうか。

そして、将来その建物を解体する時に、
フロンガスが放出されないような解体方法が義務付けされているかもしれません。
それはアスベストと同様に莫大なコストが発生する可能性があります。


シドニーで“彼”と面して協議している今、この時、
この疑問について聞いておかなければなりませんでした。

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