施工場所 | 熊本県球磨郡山江村肥後トンネル |
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施工面積 | 追越車線76㎡、走行車線76㎡ |
工期 | 3日間 |
豪雨により被災した道路の災害復旧・応急復旧事例です。2020年7月初旬熊本県を中心とした地域で記録的な豪雨により、 球磨川を中心に大規模な河川の氾濫、浸水被害が発生しました。 7月6日に西日本高速道路メンテナンス九州株式会社様より施工依頼を受け、同9日に熊本県球磨郡山江村肥後トンネルの 通行止め区間内で、降雨災害により水圧で浮上し空隙・空洞が発生したコンクリート舗装版下にウレタン樹脂を充填する緊急工事を行いました。
資機材一式を搭載したトラックを所定の位置に駐車し、使用機材の準備を行います。
現況のコンクリート舗装版の高さを把握するため、オートレベルで測量を行います。
注入ガンの準備を行い、ウレタン樹脂注入用ホースを施工箇所まで敷設します。
注入位置をマーキング後、16㎜(1円玉より小さい穴)のドリルで1m間隔で削孔します。
地盤内に注入されたウレタンの影響範囲は半径1~1.5mのため、アップコンでは隙間なく充填されるように樹脂の注入間隔を原則1mおきに設定しています。
削孔時は集塵機を使用し、粉塵が飛散しないように吸引しながら削孔します。
レーザー墨出し器で高さを確認しながらウレタン樹脂注入作業を行います。
施工範囲の低い箇所から順次、コンクリート舗装版下に注入し、注入箇所だけでなく周辺部(影響が予想される範囲)の高さも常に確認しながら慎重に注入作業を行います。
無収縮モルタルで注入孔の穴埋めを行います。施工場所の清掃を行い、注入等で出た廃材、ホースを車輌に積み込み作業完了です。
アップコンが使用するウレタン樹脂は、2種類の材料を注入ガンから吐出する直前で混合させます。 液状のまま砕石部の間隙に回り込み発泡します。発泡した樹脂は路盤を圧密強化し、強化された路盤から反力を得て踏掛版を押し上げます。 ウレタン樹脂は、コンクリートやモルタルと比較し軽量なため、材料の自重による再沈下のリスクを大幅に抑えます。また、ウレタン樹脂の 特性として、液体の状態で空隙・空洞に廻りこんだウレタン樹脂が膨張するため隙間なく充填することができます。
コンクリート舗装版下の空隙・空洞にウレタン樹脂を注入しました。 コンクリート舗装版下全体に完全な充填を行うため、各注入孔で微動又は1㎜アップするようにレベル管理を実施しました。 注入後はCCDカメラによる充填確認を行い、ウレタン樹脂が密に充填されていることを確認し施工完了です。
熊本保全センターの応援要請に対し、速やかに人員資材の手配をし、過酷な作業現場での作業に貢献したとして 西日本高速道路メンテナンス九州株式会社様より感謝状をいただきました。